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【CEOブログ】就労移行支援事業所は、何を重視するべき? #005

仕事・訓練

こんにちは。

#あらゆる個性を強みに変える

就労移行支援事業所ライラ代表の吉田です。

ライラでは、利用者ファーストの発想で良質なサービスを提供していきたいと考えています。ただ、就労移行支援事業所は好き勝手に何をしても良い訳ではなく、事業所面積に応じた利用人数上限や、利用者数に応じた必要支援員数をはじめ、国が定める様々な規則の中で運営をしていかなければならないのもまた実態であります。

事業所は何をしたいのか?それは利用者が求めていることなのか?折り合いを付けた方が良いのか?このような観点から、今一度、就労移行支援事業所を見つめ直してみたいと思います。

【1】それはやりたい仕事なのか?

就労移行支援事業所は、利用者が企業に「内定」し、「就職」し、そしてすぐに辞めてしまうのではなく職場にしっかりと「定着」する、このようになれば良いと願っています。この「内定」→「就職」→「定着」のプロセスの入り口にあるのが「内定」です。

では、結果として「内定」すれば何でも良いのでしょうか。「内定」だけをゴールに利用者支援を行うのは、就労移行支援事業所の在り方として正しくないように思います。利用者本人が希望する職種や給与水準があるかもしれません。或いは特に細かい希望が本人にはないかもしれません。また仮に希望があったからといって、それが必ず叶うとは限りません。それでも就労移行支援事業所は、本人の希望をまずはしっかりと捉える、希望がもしなければ一度自ら考えてもらう、このような手助けを行っていく必要があります。

繰り返しになりますが、本人が就職に関して特定の条件を希望したらからといって、それが叶うとは限りません。ただ、少しでも希望に近い形での就職(内定)に向けて支援することができれば、働き始めた後の本人の「納得感」にもつながります。そして「納得感」があれば、職場への「定着」の可能性も高まります。就労移行支援事業所は利用者の「定着」を気にするのであればこそ、入り口である「内定」だけに捉われるのではなく(もちろん内定は重要ですが)、利用者の「納得感」も意識してあげた方が良さそうです。

【2】ゴールに辿り着くための準備になっているのか?

就労移行支援事業所ライラでは、「ライフスキルコース」、「ビジネススキルコース」、「キャリアデザインコース」、「リクルートコース」と4つのコースを設けて、利用者本人の置かれた状況に合わせた最適な支援を提供するように努めています。しかし事業所側が支援をしているつもりであっても、利用者本人が4つのコースの中で行われることを通じて、どこに自分が向かおうとしているのかを理解しないと、「よく分からないけどとりあえずやっている」状態になってしまいます。

・自分の目指すべき「ゴール」はどこにあるのか?

・そのゴールに到達するために今行うべき「作業」は何か?

・その作業を行うことが、なぜゴールに近付くことへとつながるのか?

このあたりの理解を持って4つのコースに参加するのは簡単なことではありません。ライラの支援員も丁寧な説明を心がけていますが、利用者にすぐに伝わることもあれば、なかなか本質が伝わらないこともあります。ただ就労移行支援事業所に通所する中で日々目の前で起きていることが、「ゴールに辿り着くための準備になっているのか?」という問いに答えられていれば、本人の「納得感」も醸成されやすいのではないでしょうか。

【3】『一般論』という問題(段差を越えるかスロープを設けるか)

例えば車椅子を利用している人がいて、その人が毎日利用する道に段差があり、その段差によって困っているとします。どうすればその困難は解消されるでしょうか。方法は2つあります。1つは、その人が段差を乗り越える練習を重ねて、「段差の存在」を障壁に感じなくなるぐらい努力を重ねることです。もう1つは、そこの場所にスロープを設置して、段差という障壁自体を取り除くことです。

今2つの方法を提示しましたが、1つ目は「本人の努力」、2つ目は「社会としての支援」と説明することもできます。障害を持つ人が社会で活躍していくためには、この2つの要素がどちらも必要となり、どちらか1つにのみ解決策を求めていくのは違うように思います。過去のブログで「合理的配慮」の話をさせていただきましたが、これは「社会としての支援」に該当するものになります。

就労移行支援事業所では、利用者に対して「一般論」の話をすることが少なくありません。「社会では・・」、「通常、会社で働く際は・・」、等々。ただ「一般論」について話をするということは、先ほどの車椅子の例で言うと、「段差の存在」を教えてあげることになります。この際に注意が必要なのは、「通常、会社では●●です。なので、あなたも●●してください」と利用者に対して一般論を押し付けることは、「段差があったら必ず自力で乗り越えてくださいね」と伝えることと同じになります。でも時には、求めるべきはスロープの設置であって、乗り越えなくても良い段差もあるかもしれないのです。

このように考えると「社会では・・」、「通常、会社で働く際は・・」と、「一般論」を説明していくことは間違いなく重要なことです。ただ「一般論」を強要するのかどうかは、合理的配慮との兼ね合いでケースバイケースと思いますので、「通常、会社では●●です。なので、あなたも●●してください」となり過ぎることなきよう、最適バランスを模索していければと思います。これも簡単なことではありません。私も日々学びながら、「ライラとしてより良い支援を提供できれば」と考える毎日であります。

【4】あらゆる個性を強みに変える

就労移行支援事業所ライラでは、就労を希望する障害を持つ方々への訓練・就職支援・就職後サポートを実施しています。「ライラはどんなところなんだろう?」「ライラと共に歩んでみたい」など、少しでも興味を持っていただけましたら、是非一度遊びにいらしてください!

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